ヨシタケシンスケさんの絵本「ころべばいいのに」は「いやな気持」から抜け出すためのヒントが満載!
今回は絵本「ころべばいいのに」のあらすじ、ヨシタケシンスケさんのメッセージ、いやな気持を自力で立て直す方法などをご紹介します。
ころべばいいのに|絵本のあらすじ
主人公の女の子は嫌いな人がいる
絵本「ころべばいいのに」は低学年の女の子が、不機嫌な顔で学校の校門から下校する場面からがスタート。
子供向け絵本ではあまりみない、ちょっとドキッとする主人公の言葉から始まる。
わたしにはきらいなひとがいる。
なんにんかいる。
そして絵本「ころべばいいのに」のあらすじの中で女の子は、学校を出てから家に到着するまでの間、「嫌な気持ち」とひたすら向き合います。
絵本「ころべばいいのに」のあらすじのポイントは、いやな思いをした子供が、誰の力も借りず、「つらい気持ちをやりすごす方法」を見つけていくところ。
ころべばいいのにのあらすじに見る「嫌な気持ち」の悪影響
「嫌な気持ち」になった時の悪影響を絵本「ころべばいいのに」では3つの点で出てきます。
- 嫌な気持ちのせいでなにをしても楽しくない
- 人を恨む自分が嫌いになる
- 誰かを憎む時間が無駄になる
嫌な気持のせいで何をしても楽しくない
絵本ころべばいいのにでは、嫌なことをされたり言われたりすると、その後も何をしても楽しくなくなってしまう。
目の前に嫌いな人がいないにも関わらず、つらい気持ちを引きずってしばらくの間つらい時間が続きますよね。
気分が悪くなるようなことを言われたりされたりしたら、誰だって気持ちが落ち込んでしまいます。
自分のことが嫌いになる
絵本「ころべばいいのに」では、女の子はタイトルのように嫌なことをしてきた「相手」の不幸を願ってしまう。
「ころべばいいのに」のタイトルにもまさに嫌なことをしてきた相手を恨む感情が表れていますよね。
ただ、それと同時に主人公はこんな風にも感じます。
「誰かを憎んでしまう自分自身」のことも嫌いになってくる
嫌な思いをさせられたせいで、「人の不幸を願う」自分を自分で嫌いになってしまうのはつらいですよね。
誰かを憎んでる時間がもったいない
本当にその通りですよね。
絵本「ころべばいいのに」のあらすじはこの点からスタートしています。
自分が苦しんでいる時間、相手は傷つけた人のことなど何も考えもせずに楽しく過ごしているかもしれませんよね。
だから
だれかを「嫌ってる時間は無駄」と気づくことが大事。
絵本「ころべばいいのに」あらすじでは、女の子がこの後「つらい気持ちを切り替える対処法」についても具体的に考えていきます。
ころべばいいのに|気を紛らわす方法が満載の絵本
絵本「ころべばいいのに」のネタバレにならないように、具体例は絵本の例とは全く別物で解説します。
相手バチが当たる想像して憂さ晴らし
絵本「ころべばいいのに」では女の子は相手が困ることを想像します。
それは、自分にいやなことをした人に「罰が当たる」想像で、妄想の世界で仕返しするというもの。
たとえば、
- いやなことをした子の嫌いなりんごが給食に毎日出る
- 意地悪な子のお気に入りの服が虫に食われる
- 嫌いな子が道で犬のうんちを踏む など
これならだれも傷つけずに「自分の嫌な思い」だけを紛らわせるにはいいですね。
「つらい思いをした分だけ得をする想像」で気晴らし
「ころべばいいのに」の絵本では悲しい思いをした分、点数がたまるような想像で気晴らしするアイデアが出てきます。
あらすじやアイデアのネタバレしないように別の例で伝えますね。
たとえば
- つらい思いをしたらため息の数だけあとでいいことが起きる。
- 悲しい思いをした分のちに運がどんどんよくなる。
のような。
つらい思いをすればするほど、累積スタンプがたまって、運がよくなったり将来得するような想像はちょっと笑ってしまいますよね。(笑)
全く無関係なことをして気を紛らわす
無意味なことをして気を紛らわすことが絵本「ころべばいいのに」に沢山でてきます。
絵本のネタバレにならないよう、別の例でいうと
- お風呂で大きな声で歌ってみる
- 利き手と逆の手でご飯をたべてみる
のような意味のないこと。
嫌な思いをしたこと自体とは全く無関係なことも、「気持ちを切り替える処方箋」のように「ころべばいいのに」の絵本の中には沢山出てきます。
ころべばいいのに|はげましアイテムを準備して嫌なことに備える
絵本ころべばいいのにで、ヨシタケシンスケさんはつらい気持ちを切り替えるために「はげましアイテム」というものを提案してくれています。
はげましアイテムとは、
嫌なことがあった時「自分の気持ちを癒してくれる」もの
絵本「ころべばいいのに」のあらすじの中で
嫌いな人に何かいやなことをされたり
つらくなるようなことを言われたりすることを
突然やってくる「どしゃぶりの雨のようなもの」と表現しています。
つまり、自分ではどうすることもできないもの
それなら、いつ嫌なことが合ってもいいように自分を癒してくれる「はげましアイテム」をあらかじめ準備しとくといいのでは。
そんなアイデアをヨシタケシンスケさんは絵本で教えてくれます。
たとえば「食べ物」、「娯楽」、「リラクゼーション」など、自分の心を癒してくれる自分だけの特別なアイテムを準備しておくということ。
例えばですが、
- おいしいものを食べる
- 好きな音楽を聴く
- 楽しいテレビを見る
- やわらかい毛布を抱きしめる
というような、「自分の気持ちが少しでも癒されるもの」のこと。
ヨシタケシンスケさんは、こうした「はげましアイテム」をあらかじめ準備しておく(見つけておく)ことで、突然嫌な思いをさせられても心の傷を早くリカバーできるといったアイデアを絵本の中で伝えています。
ころべばいいのに|ヨシタケシンスケ絵本から伝わること
ヨシタケシンスケ絵本|「誰かを嫌いになってもいいんじゃない」というメッセージ
絵本「ころべばいいのに」のあらすじで、主人公の女の子はいやな気分のまま下校します。
自宅に戻る途中、大人が人の悪口を言ってる場面を見かけ「大人でも嫌いな人がいる」んだと気づきます。
例えば、幼稚園や学校の道徳でこんな感じの事を言われてきませんでしたか。
- みんなと仲良くしましょう
- 誰かを嫌いになるのはやめましょう
- 話し合いで解決しましょう
確かに道徳的、理想的で素晴らしいですよね。
でも、誰かにいやなことをされたり言われた時、これって大人でも難しくないですか。
全員と仲良くしたり、苦手や嫌いな感情を持たないようにし、話しても分かり合えない時もありますよね。
絵本「ころべばいいのに」にはヨシタケシンスケさんのエールが伝わるようですね。
- 大人だって嫌いな人はいるよね
- 子供もだって嫌いな人がいたっていいんじゃない
そんな道徳や理想のきれいごとだけに縛られず、「嫌いな人がいてもいいんだよ」という温かいメッセージが感じられます。
ヨシタケシンスケさんの発想絵本シリーズ
沢山のレビューが見れます。
ヨシタケシンスケ絵本|自分を嫌いにならなくていいように「嫌な気持から逃げる」方法を教えてくれる
嫌なことをしたり言ったりする相手を「恨む自分自身が嫌」と子供は感じてしまう場合も。
絵本「ころべばいいのに」では、自分を嫌いにならずに済むように、また、いちはやく気持ちを立て直せるように
「嫌なことがあったら、いつでも避難できる場所を確保しておくといいよ」というヨシタケシンスケさんの愛情あふれるメッセージが伝わります。
幼稚園や学校で習った道徳や理想論はもちろん大事です。
でも、本音の部分では
「嫌いな人がいたっていいんじゃない」
「嫌なことがあったら逃げていいからね」
そんなヨシタケシンスケさんの温かいメッセージがこの「ころべばいいのに」の絵本にはあふれています。
ころべばいいのに|ヨシタケシンスケさん絵本への評判
絵本ころべばいいのには多くの方に感動や気づきを与えてくれる
子供が図書館から借りてきた絵本「ころべばいいのに」を、興味深く読んだ。
嫌な気持ちをどうしたらいいだろう?こういう方法はどう?という、一見屈託ない絵本だけれども、これは紛れもなくセルフモニタリング、セルフマネジメント、セルフコントロールに関する本。相談室の待合に置くぞ。#読書記録 pic.twitter.com/DO9YQLIJ7q— 旅するこびと (@traveling_dwarf) July 27, 2019
「ころべばいいのに」いやな気分への処方箋を検討する絵本。子供が読むかは疑問だけど大人が読むと納得
はげましセットを準備しておく、とあって考えたが、本棚全部が私のはげましセットであるという結論。読めなくて苦しくなる本が多いけど。#こういうときこそ本を読もうhttps://t.co/rpBjPQNz7Q— 計算用紙三千枚の宇宙見物 (@zencalculation) March 28, 2020
本屋にヨシタケシンスケさんの絵本の英語版があったので、娘にと買った。
原題なんだっけ? と調べたら『ころべばいいのに』
英訳だとこうなるのかー! pic.twitter.com/t7oNt9FOfb
— サトウ カエデ🌻/ライター (@nzkaede) September 8, 2020
今回は絵本「ころべばいいのに」に広がるヨシタケシンスケさんの温かいメッセージを感想とともにご紹介させていただきました。
「これからも嫌な事、つらいことがあるかもしれないけど、自分を癒せるアイテムを準備しておけば心配いらないよ。」
そんな雰囲気が漂って、大人も子供も気持ちがふわっと軽くなるような絵本です。
最後までお読みいただきありがとうございました。