三月三日はひな祭りですね。ひな祭りと言えば幼稚園でもよく歌う「うれしいひなまつり」という歌があります。実はこの歌の深い意味や知られざるエピソードをお伝えします。
ひな祭りの定番ソング「うれしいひなまつり」
「うれしいひなまつり」の歌について
この歌はひな祭りの定番中の定番ですね。幼稚園では必ずと言っていいほどひな祭り前から練習して子どもたちみんなで歌います。
この「うれしいひなまつり」は作詞サトウハチローさん、作曲河村光陽さんにより1935年に発表されています。
まずはどんな歌だったか動画と歌詞はこちら
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓(ふえたいこ)
今日はたのしい ひな祭り
お内裏様(だいりさま)と おひな様
二人ならんで すまし顔(がお)
お嫁(よめ)にいらした 姉(ねえ)様に
よく似(に)た官女(かんじょ)の 白い顔
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金のびょうぶに うつる灯(ひ)を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒(しろざけ) めされたか
あかいお顔の 右大臣(うだいじん)
着物をきかえて 帯(おび)しめて
今日はわたしも はれ姿(すがた)
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひな祭り
「うれしいひなまつり」歌詞が違う?
ひな祭りの歌の「お内裏様」って誰の事?
実はこの「うれしいひなまつり」の歌の歌詞でちょっと違う部分があるんです。
「お内裏様(だいりさま)と おひな様」
実は男びな、女びなの二人を合わせてセットで「お内裏様(おだいりさま)」というのが正式。
つまり、歌詞の通りで解釈すると
「お内裏様(男びな、女びなのペア)とおひな様(もうひとり女びな)」
?!
一組の男びな女びなカップルのほかにもう一人女びなが存在するという。。。ちょっとややこしい話になってしまいそうですが、違いますよ~。((笑)
私も昔は男びなが(おだいりさま)女びなが(おひなさま)だと思ってました。(笑)
「うれしいひなまつり」でも男びなを「お内裏様」女びなを「おひな様」と呼んだ歌詞になっているようです。
あくまで「男雛、女雛の二人組ペアで『お内裏様(おだいりさま)』っていうのが昔は正式なのか~くらいに雑学的として軽く知っている程度でいいのではと思います。
ひな祭りの歌[うれしいひなまつり]
の歌詞に出てくる右大臣の顔は本当は白い?
「すこし白酒(しろざけ) めされたか
あかいお顔の 右大臣(うだいじん)」
ひな人形をそのまま見て五人囃子の下あたりで右側にいるのが左大臣、左側にいるのが右大臣。
この「うれしいひなまつり」で「赤いお顔の右大臣」という歌詞がありますが、赤い顔をしていると言われているのは右側にいる老人、つまり「左大臣」!
つまり、歌の歌詞からすると左右逆なんです。
でも見た目が逆だから誰でも間違いやすいですよね。
赤いお顔が白酒を飲んだからか、単に加齢による日焼けのようなものかわかりませんが、老人の方が赤めのお顔ですね。(歌詞は軽いユーモアなんだと思います。)若い右大臣は青白いお顔で凛としています。
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ひな祭りにゆかりの左大臣右大臣とは?
ひな祭りの歌に出てくるこの左大臣右大臣の二人は随身(ずいしん)と呼ばれ、お内裏様の護衛、今でいうボディーガード兼かなり高い役職と言われています。
常にお内裏様の警護をし、何かあれば盾になってお命を奪おうとする重要な役職だそうです。三人官女や五人囃子よりも位も高く、(なぜかひな壇では下に置かれますよね。敵が来たらすぐ戦えるようにでしょうか。)宮中からも絶大な信頼を得ていたそうです。
出典:雛人形。jp
左右逆でごちゃごちゃして、特に女の子のママはおひなさまを片付けてまたセットするとき、「あれ、このおじさんどっちだったかな」とわからなくなってしまう場合もあるかもしれませんので(スイマセン、うちがそうでした)分かりやすくまとめますね。
皆さんが一番上の段のおひなさまになって家来たちを見下ろしてみてください。そうすると、右側に右大臣、左側に左大臣。スッキリされましたか。((笑)
ひな祭り定番の歌「うれしいひなまつり」の悲しいエピソード
「うれしいひなまつり」は実姉への鎮魂歌?
「うれしいひなまつり」の歌の中に
「お嫁(よめ)にいらした 姉(ねえ)様に
よく似(に)た官女(かんじょ)の 白い顔」
という歌詞があります。
実は作詞をされたサトウハチローさんのお姉さんは、結婚が決まっていたにもかかわらず、18歳という若さで結核により他界されてしまったそうです。
それで、この「うれしいひなまつり」は作詞家のサトウハチローさんが、ご自身の娘さんの成長を祝うためと、「お姉さまへの鎮魂歌」としても作られたのではと言われています。
そんなエピソードを知ってしまうと、サトウハチローさんのお姉さまへの切ない思いや娘さんを思う温かい気持ちとが重なって、感慨深く歌詞を聞き入ってしまいます。
また、晩年、歌詞の間違いや、お姉さまへの思いを歌詞にしてしまったことで、サトウハチローさんはこの「うれしいひなまつり」の歌をあまり良く思っていなかったという説もあります。
でもひな祭りの歌といえばだれもが一番に挙げるのがこのサトウハチローさんの「うれしいひなまつり」ではないでしょうか。
2007年には「日本の歌100選」に選ばれ、80年以上たった今も多くの方に愛され受け継がれている素晴らしい歌であることは間違いないと私は思います。
優しさや愛情の詰まったひな祭りの定番曲「うれしいひなまつり」。
これからも沢山の親子に愛されて歌い継がれていくと思っています。
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